ISRコンサルティング管財

賃貸経営の本質3分類

賃貸経営には 1. 入口の企画立案や投資分析 2. 保有中の空室・リーシング対策、費用便益(リフォーム回収効率)、リノベーション再生 3. 出口戦略として有利売却の三段階に分類されます。

入口対策

入口対策(企画立案)

投資するオーナーの目的(短期投機・定期収益・価格上昇・節税・レバレッジ・安全性)によって、さまざまな用途や角度から俯瞰できるマトリクス表により最適用途を絞込み、募集ターゲットに的を絞った間取プランや建築会社の選定等を予算に応じて規模構造計画を練ります。

入口対策(投資分析)

収益不動産に対する単年利回り留まらず、中⻑期間保有した場合の収益率IRR や借入をした場合のレバレッジは正/負など各種指標に基づき数値で投資効率を分析します。

保有対策

保有対策(中間分析)

既に収益不動産を保有中の方を対象に、現状の収益率や価値上昇、NPVを更に5年間保有した場合の成績を数値で分析し、期待値よりも低い場合には設備改修や運営費の改善など代替案のシミュレーションを行い今後の運営対策を検討します。

保有対策(デットクロス分析)

借入して購入している場合、時間の経過によって起るデットクロス(建物と設備の減価償却額を元金返済額が上回るときの交差点)の時期を数値で事前に分析し回避策を検討します。デットクロスの要因は時間の経過と共に損益計算上の経費として算入できる減価償却額と金利額が減少し、更に賃料(空室)も築年数と共に減少する反面、損益計算に計上できない元金返済は上昇する為、所得税等の税金は上がる一方でキャッシュアウト(⿊字倒産)になる危険性があります。

保有対策(リーシング対策)

リーシング(募集業務)を成功させるには4段階のプロセス。

1. 賃料相場の分析

周辺の類似賃貸情報を調べ、募集予定の賃料と相場に乖離がないか事前に確認します。

2. 募集方法の検討

普通借家、定期借家等の契約形態に加え、敷金、礼金、共益費、更新料、AD(広告費)、付加サービス等をどう設定するかによって入居決定率に影響がでる為、差別化した募集方法を検討します。

3. 募集図面の作成

入居予定者及び客付け仲介業者からみて見栄えのする募集図面に仕上げる必要があります。

4. 募集情報の拡散

物件情報をいかに多く拡散するかによって空室期間を最小限に抑えられます。

拡散のポイント

  • 全世界へ発信するWWW.の不動産ポータルサイトに拡散。
  • 全国の不動産会社が検索閲覧するサイト(通称:レインズ)に図面を添付して拡散。
  • 現地に募集中の看板設置にQRコードを張り現地で詳細情報が見られる拡散。
保有対策(維持・空室対策)

リフォーム費用便益

リフォーム後どの位のリターンがあり何年で回収できるのかを現状と改善後を事前に数値で比較します。下表の事例物件では、事前シュミレーションによりリフォーム改修後には空室率63%を満室・物件価値上昇額+1,530 万円・リフォーム投資額回収率61%という結果となり、リフォーム費用を2 年もかからずに回収し満室稼働することに成功しました。

リノベーション再生

リフォームは元の性能に戻す工事を指し、リノベーションは修復・刷新するという場合に用います。リノベーションは既存の建築物に改修を加え価値を高める大規模な改修工事のイメージです。費用も高額となる為、店舗改修などをリノベーションした後の事業採算が合うのかを事前に分析し、古ビル1 棟をリノベーションした方がいいのか、または解体して建替えした方がいいのかを事前に数値で把握しオーナーの意思決定をサポートします。

解約率・空室率・入居率分析

平均解約率

算式:年間の解約⼾数÷総⼾数×100
※解約率は一般的にシングルタイプで20%〜30%、ファミリータイプで15%〜25%です。

平均空室期間

算式:空部屋の空月数の合計÷総空部屋数
※平均空室期間が4 ヶ月以上と⻑期の場合には原因がある為、対策を検討します。

平均居住期間

算式:(100%÷解約率×12 ヶ月)−平均空室期間
※平均居住期間が2 年以下など短い場合には退去する要因がる為、対策を検討します。

消費者物価指数による賃料の見直し

居住用賃貸の特徴として賃料の増減が殆どないのが特徴の為、この物価指数による賃料見直しは、店舗や事務所等の賃料交渉に用いるのが実務的です。 算式:(現在の賃料÷旧消費者物価指数)×新消費者物価指数=見直し指標家賃 ※固定資産税額の上昇率を用いることも併用します。

出口対策(有利売却)

一定期間運用したあとに売却する場合、いかに好条件で売却するかによって売却益を高め、保有期間中に発生するキャッシュフローとの合計利回りIRR率を高めることが出来ます。

好条件で売却する5つのポイント

① 物件価値を高めるにはNOIを高める必要がある為、満室を目指し、運営費の見直し等の対策をします。

② 収益不動産相場が上昇傾向にあるタイミングで売却する。

相場価格は概ね15 年〜20 年前後ごとに景気の上り下がりに左右される為、景気が良くなれば、低い利回りの物件でも売却できるチャンスが向上します。

③ 情報を整備しておく

土地の測量図、建物に関する資料(建築確認通知書・検査済証・リフォーム履歴・保守点検状況等)や詳細レントロール、賃貸借契約書や重要事項説明書、家財保険書類、保証会社の情報などです。

④ リフォームやリノベーション、大規模修繕をしない場合には、建物の室内外の見栄えを良くし小改修も検討します。

土地の測量図、建物に関する資料(建築確認通知書・検査済証・リフォーム履歴・保守点検状況等)や詳細レントロール、賃貸借契約書や重要事項説明書、家財保険書類、保証会社の情報などです。

例えば…
庭木の植栽、集合ポスト、共用部分の私物、ごみ置き場、室内クリーニング、最低限補修や通路の間接照明、オートロック、インターネット、宅配ボックス、温水洗浄便座など。

⑤ 売却情報の拡散

売却情報をいかに拡散するかによって投資家等の目に届く確率も高まります。先行して不動産投資家を多く保有している仲介業者や買取専門業者にも非公開情報として個別に紹介するのも有効です。