資産より借金が上回る場合は相続税は発生しない?
資産形成の過程で自己資金のレバレッジ(テコの原
理)を効かせて借入をすることで、自己資金に対す
る収益率は向上します。
伴い不動産を借入をして購入した場合、相続税評価
は相続評価計算上、時価より低くなります。
概ね土地は70%~80%
建物は50%~60%ほどに相続評価は時価額
より圧縮されます。
この圧縮された時価と評価の乖離分が相続税評価額
より借入が上回る要因です。
そこで借入額が相続税評価を上回る場合は、マイナ
スになる為、相続税は発生しないのではないかと考
えがちですが、じつは違います。
相続税の計算過程を正確にいえば、相続人一人一人
の相続税課税価格を計算し、その各全員分を合計し
評価額から基礎控除を差し引いて、相続税を計算す
る基になる課税遺産総額を出します。
各相続人が受け取る相続課税評価額が赤字(マイナ
ス)になる相続人はマイナスではなく0円として
相続税を計算します。
その為、遺産の分け方によっては相続税が掛かる場合
が出てくることになります。
次の具体例ご覧ください。
具体例)
長男は
借入(1.5億)付き賃貸不動産(評価1億円)を相続
二男は
預貯金(1億円)を相続したとします。
相続税課税遺産総額=
長男の課税価格+二男の課税価格となります。
従い、長男(1億円-1.5億円)+次男1億円
=相続税課税遺産総額は1億円となります。
〔1億円−4,200万円(基礎控除)〕÷2
×15%(税率)−50万円(控除額)=385万円
相続人が二人の為、二倍で770万円が相続税額
結果、相続税は長男は0円・二男は770万円
という結果になります。
ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
単純に被相続人の総資産額から借金等のマイナス額
を引いて0円(マイナス)になるからといって相続
税はかからないというのは勘違いなんです。
専門家でも見落とす、相続発生前では見抜けない
カラクリですが相続発生後に実際の分け方によって
は相続税が発生することを念頭に対策をして下さい。
2023.1.15
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