令和 最新 相続‐税務調査の実態
相続後、忘れた頃にやってくる税務調査
特に資産1億~3億を超える資産保有者が調査対象
として多く、申告時期から1年~1年半後に
調査が行われる実態が2023年3月5日に日経新聞に
も掲載され注目・注意が必要です!
実態調査はコロナ過の影響を受けていない2016年中
に亡くなった方のデータを基に、申告から一定期間
後の2018年のデータは下記の通りです。
2016年の死亡者数は130万7748人中、相続税の申告
が必要な世帯は1割強の13万6891人
そのうち3万1011人は、小規模宅地等の特例や配偶者
の税額軽減などにより無税とのこと。
その無税世帯以外の10万5880人が実際の課税対象
で被相続人全数に占める割合は8.1%だ
この8.1%のうち税務調査の対象になったのは約1割
強の1万2463件で、なんとそのうちの85.7%に該当
する1万684件から申告漏れ等が発覚!
申告漏れ課税価格は平均2838万円で、追徴税額は
568万円に上る。
故意でなく、うっかり漏れだとしても過少申告加算
税10%~15%、悪意的に脱税申告したような場合は
重加算税35%が課税される!
税務署は見逃さない…その理由とは
国税総合管理システム(KSK)の存在だ
KSK管理の概要は次のようなものです。
1. 市町村から税務署へ報告
※死亡事実、保有不動産の内容、住民税所得内容
↓ ↓ ↓
2. 国税総合管理システム KSK
(Kokuzei Sougou Kanri)で被相続人の
情報収集 ※申告・納税履歴や保有資産など
↓ ↓ ↓
3. 上記2から相続税申告の要否を判断
↓ ↓ ↓
4. 相続税の申告が必要な人に申告書を送付
↓ ↓ ↓
5. 提出された申告内容や金融機関等に照会を
かけ税務署の調査基準により調査対象を選定し
調査が実施される。
上記で解るように、銀行や証券会社からも税務署へ
支払調書の提出義務がある為、タンス預金などの
現金以外は全て税務署に把握されていると考えて
おくべきだ。
■税務調査筆頭3種類はこれ
① 名義預金
子や孫名義で作成した口座に被相続人のお金を
預金しているケース
贈与が確定せず高額な贈与税や、名義預金額を
相続資産として相続税の対象となるので注意
② 死亡直前の半年前後の口座現金引き出し
死亡後、葬儀費用に充てる為に被相続人の口座
から引き出した場合は申告が必要だ
申告せず、引き出して減額された財産を対象に
申告すると過少申告になり追徴される。
この場合、葬儀費用控除を受けている為、二重控除
になってしまう為だ
③ 化体(けたい)財産不明のこと
あまり聞きなれない名称だが、化体財産とは、
被相続人お金が何らかの財産に変わること
例)相続発生の4年前4,000万円の預金が口座から
引き出さていたが、その使い道が不明確の場合など
税務署はそのお金は子供のマイホーム資金等に流れ
たのではないか?
その場合、貸付記録や贈与履歴はあるのかなどを
徹底して調べます。
■最後に、税理士の選定が鍵
相続税は納税額に差がつく(特に不動産)グレーな
項目が多く、相続申告経験が少ない税理士は税務署
からの指摘を避ける為、積極的に節税策を講じない
傾向があるとも日経記事では報じていた。
一般的に相続に強い税理士は極少数とも言われて
おり、資産のよっては数百万から数千万もの納税
額が変わってくるケースもある
ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
相続対策は、生前からしっかりと財産全体を把握
し、数年先までの財産変動推移を予測しながら
節税等の一部対策ではなく、相続全体に強い
専門家と一緒に準備する必要があります。
税務署は高く納税しても還付制度はなく、高額納税
して終了です。
これが本当の実態なのですから… 2023.3.05
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