相続放棄の注意点とポイント【意外な落とし穴】
相続は親が保有していた預金や不動産のプラス財産
を貰える!というイメージが強いのでは?
注意したいのは、マイナス財産の借金も法定相続分
割合で相続するということだ!
■相続放棄をする主な理由3選
① 借金を相続したくない
② 資産があっても資産分割のトラブルを避けたい
③ 被相続人と疎遠だったため相続に関わりたくない
司法統計データでは、2021年の相続放棄受理件数は
約25万2000件に上り、11年前に比べて約5割超増加
していると報じられている。
出典:日経新聞 2023.3.12 掲載
親亡き後(相続後)親の資産を相続するか、しない
かを3つの選択肢(単純承認・相続放棄・限定承認)
から選べるが、そのうちの相続放棄について具体的
に放棄する判断基準や注意点、ポイントをまとめて
お伝えします。
■注意)
相続放棄を選択するできる期間は、親の死亡を知って
から3ヶ月以内であることです。亡くなってからでは
なく、亡くなったことを【知ってから】です。
■ポイント)
3ヶ月という短い期間に、借金などマイナス負債を
どのように知るのか? 同居していたのであれば、
なんとなく借入負債の背景が掴めるが、別居してい
た場合の負債確認方法は下記の通りです。
1.通帳や郵便物などをもとに、各金融機関に問い
合わせして確認する。
2. 法定相続人の権利として各情報機関に照会する
・銀行系:全国銀行個人信用情報センター
・カード系:シー・アイ・シー(CIC)
・消費者金融系:日本信用情報機構(JICC)
■注意)
遺産分割協議で資産を受け取らないとして署名押印
したことを相続放棄と勘違しないこと!
相続放棄を法律上正式に確定するには、家庭裁判所
の手続きを経て確定させます。
遺言がない場合に行う遺産分割協議書にて【わたし
は資産は相続しない】として他の相続人に資産を渡
しても、放棄したことにならず、借金は法定相続分
の割合で相続しますので注意して下さい。
■ポイント)
相続放棄期間3ヶ月は意外と短く、相続するか否か
の判断が間に合わない!こんな場合には、3ヶ月を
家庭裁判所に延長申請できます。
延長には正当な理由が必要で、例えば、借金や不動
産などの把握に時間がかかるなどです。
尚、亡くなった親と交流が薄く、負債などを知る機
会が乏しい場合には負債を知ってから3ヶ月以内で
あれば、相続放棄が認められる事例もあります。
■注意)
自分が相続放棄しても他の相続人は分からない!
相続人が複数いる場合、自分が単独で相続放棄した
場合、他の相続人に家庭裁判所から通達がいく仕組
みがない為、他の相続人が借金を負ってしまうこと
になりかねません。
事前に他の相続人にも借金の内容や放棄の選択肢
などを伝えておきましょう。
■注意)
隠れた負債【連帯保証債務】も相続する!
連帯保証人の債務は、連帯保証債務契約書を見つけ
ない限り、上記で紹介した情報機関へ照会しても
分からないので厄介です。
相続放棄期間の3ヶ月を遠に過ぎた頃に、保証した
相手が破産や倒産をして、相続から忘れた頃に
相続放棄をしていない相続人に保証債務の請求が
届く!こんな事実もあります。
ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
相続財産の価格評価で難しいのが不動産です。
相続税の評価は基本的に【時価評価】です。
しかし、時価が分かりにくい為、相続税路線価や
固定資産税倍率方式で評価します。
この路線価評価等には、グレーゾーンが多くあり
詳しい税理士や士業も少ないのが現実です。
相続がおこって、あたふたすることなくスムーズに
相続手続きを進めるには、生前に資産全体を把握し
事前に対策を講じる又は予測しておくべきでしょう。
10年先までのシュミレーションや二次相続を含む
財産現状分析と対策提案書の作成は有料ですが、
弊社で行っております。
お金をかけるだけの価値を提供することを意識し
高評価を頂いている分析診断の相談は、無料相談
からでも受付してます。 2023.03.12
※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。
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