ISRコンサルティング管財

不動産の負担付き贈与の注意点

負担付贈与とは、贈与契約の一部として受贈者に

一定の給付義務を負担させる契約です。

 

例えば、長男に自宅を譲るかわりに

「ローン残額を払ってくれ」といったケースです。

 

不動産の負担付き贈与の注意点

 

■意外と見落としがちな、評価額の変動

 

通常贈与の場合の評価は、相続税評価(土地は路線

価格・家屋は固定資産税評価額)です。

 

しかし、負担付き贈与の場合には時価額で評価

されます。

 

時価とは、市場で自由な取引の中で成立する場合の

価格です。※一般公開して成立する価格

 

例えば、相続税評価が2,500万円だった場合、時価

評価では3,000万円と高くなるケースが多いのです。

 

贈与税は、時価額3,000万円からローンの残額

(仮に1,000万円)を引いた額=2,000万円に対して

計算されることになります。

 

こう考えるとローンがついている不動産を贈与した

方が得になるのではと考えがちですが、

 

ローンが100万円しか残っていない場合では

2,900万円となり相続税評価よりも高くなって

しまいローン残債がない不動産を贈与するより不利

になります。

 

 

■時価と同額のローン残額がある場合は?

 

時価額と同額の3,000万円の借金付不動産を贈与した

場合は、差引0円で贈与税を払わなくていいことに

なります。

 

しかし、その借金は貰う人が返済する義務が生じる為

もらう側にとっても、贈与税が0円になるだけで、

借金を背負うことになります。

 

また、貸している銀行側からの視点では、負担付

不動産を受取った側に返済資力がない場合には、

この負担付き贈与契約自体を否認される可能性が

高いと言えます。

 

 

■時価額を超えるローン残額がある贈与の場合は?

 

時価額が3,000万円で、ローン残高が3,500万円の

負担付き不動産を贈与した場合には

 

受取った人は、贈与税は0円ですが、価値(時価)

を上回る借金を背負うことになります。

 

贈与した側は、ローン残額3,500万円−時価の3,000

万円=500万円得したことになるため、贈与者側に

500万円に対する贈与税がかかることになります。

 

 

執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之

 

税務的なことだけを考えればローンが終わってから

贈与しましょう!ということになります。

 

尚、賃貸アパート物件の場合、預かっている敷金

がローンと同様の扱いになる為、敷金分は別に贈与し

て、敷金を無くしてから賃貸物件を贈与するように

しましょう!       2023.05.28

 

 

※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。

情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている

場合がありますので、ご確認をお願い致します。

 

 

特典プレゼント付!PMA相続メルマガ登録はこちら