財産は自宅のみ 相続は心配無用?②
「自分の財産は少ないから大丈夫」
そう思っていても、実際は揉め事に発展してしまう
こともあります。
A子さん(70代)の場合
財産:郊外の築30年の自宅(土地建物)と預金300万
家族:配偶者には先立たれて、将来の相続人は
子供3人(P子とQ子は既婚者、R子は独身で
自宅で同居している)
「R子は経済的に不安定なため、自宅の土地建物を
R子に相続させて、あとは3人で分けるように遺言
でも書いておこうか」とA子さんは考えていました。
前回お話しした、自宅を相続させた時に起こりえる
問題について、「何ができるのか」を考えてみま
しょう。
はじめに、まずは次のことを整理してみましょう。
①自宅を相続させたい子にそのまま住んでほしいか。
住み続けることが可能か。
②住み続けるために必要な費用は、相続させたい
子が負担することが出来るか。
③自宅を相続させたい子が自宅に住まない場合、
いくらで売れるか。
④他の相続人は納得してくれるか。自宅以外の
財産で調整ができるか。
これに対して、出来ることを考えてみましょう。
①あらかじめ、R子に、自分が亡くなった後も
一人で自宅に住みたいかの希望を聞く。
②住まないなら、将来売却した場合いくらになるか
を調べておく。
③自分が元気なうちに自宅を売却しておく。
④売れない場合、管理に必要な費用をR子に残して
おく。
そして、これを実際に行うために、A子さんが元気
なうちにしておいたほうが良い対策としては、
ⒶR子が実家に住み続ける場合
「自宅と現金(当面の管理費用分)をR子に
相続させる」という内容の公正証書遺言を
作成する。
ⒷA子さんが施設などに入った後は売却したい場合
A子さんが将来認知症になっても自宅の売却が
できるように、家族信託を活用する。
執筆者:ちばPMA相続サポートセンター K.N
相続の対策は、自分が元気なうちしか選べない
選択肢もたくさんあります。
良かれと思ってした相続対策が、相続人に想定外の
負担とならないように、納得のいく対策をしま
しょう。 2023.6.24
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