相続対策における基本3つの対策とは
そもそも相続対策は、どの様な対策があるのか?
基本的には3つの種類があります。
まずは、大枠の対策概要を掴み、細かな枝葉の
対策は専門家と相談しながら進めるとして、
大枠を把握しましょう!
■大枠3つの相続対策
1. 分割対策
財産を、争いなくスムーズに承継していく為の
準備です。
相続税が発生する世帯は、全体の約8%ほどと
言われてますが、この分割対策は、資産が少ない
一般家庭だとしても必要になります。
うちはそんなに財産もなく、家族仲がいいから
対策は必要ないよ!と聞えてきそうですが、
勘違いです。
相続が発生すると、相続人が2人以上いる場合は
必ず遺産分けをする必要があり、最も知られてい
る分割対策は、遺言書での対策です。
誰に何をどのくらい相続させるかという事を
遺言書に纏め、自分の分け方の意思を法的に
保全するものです。
遺言がない場合には、相続人全員で話し合いで
分け方を決めないとならなくなります。
また、生前贈与を活用して、自分の目の黒いうち
に、財産を承継させておく事も分割対策です。
2. 納税資金対策
相続税が発生しない方は、該当しませんが、
財産は増減して変動する為、現時点では相続税が
かからない方でも、将来、相続が発生した時点で
は相続税が発生する可能性もあります。
相続税は、相続発生後10ヶ月以内に現金で一括
納付が原則です。
以前はよく使われていた、物納制度は利用基準が
厳しくなり、基本、現金が必要です。
そして、相続税の最高税率は55%の為、最大で
相続した財産の半分ほどは納税金として納める
必要があるのです。
理論上は、財産の中から納税すればいいだけの
ことでしょ!と安易に考えがちですが、実際は
納税金の捻出に苦しむ場面が多くあります。
理由として、平均して財産の約半分が不動産の
為、不動産はケーキのように三等分に分けたい
と思っても難しい場合が多く、換金するにも
時間を要するので、事前に準備が必要です。
3. 節税対策
相続税を合法的に出来るだけ安くしよう!
という対策です。
相続税は被相続人の財産評価額に応じて税率を
乗じて発生します。
その為、生前に必要なことに使うことで、税金の
圧縮に繋がります。
例えば:お墓を買う・自宅や賃貸物件のリフォー
ムなどです。
あとは、生前に財産を贈与することでも同様に
相続税の圧縮になりますが、注意して頂きたい
のは、贈与税率は相続税より高い為、生前に幾ら
贈与すれば、相続税と比較して得なのかをシュミ
レーションして、有利選択する必要があります。
他にも、養子縁組により、相続税の控除枠を増や
す方法や、現金を生命保険に替えて非課税枠を
活用し節税する方法、更地の保有土地に賃貸
マンションを建て相続税評価を下げるなど、財産
構成そのものを変えて対策することもあります。
まとめ
相続対策は、上記のように3つの対策を、全体
の財産を把握してバランスよく実行する必要が
あります。
税金がかからないであろう方は分割対策と、強い
て言えば財産形成(資産を増やす)ことに集中
すればOKです。
対策の優先順位としては、①②③の順番になり
ますが、多くの方が相続対策=節税!と先入観
を持っている方が多いように感じます。
しかし、実際の現場では、節税だけに偏ると大抵
の場合、失敗(トラブル等)になってしまいます。
どんなに税金が安くなっても、納税を期限内に
できても、家族内で揉めてバラバラになったので
は何のための対策なのか意味がありませんよね。
まずは、分割をメインに考え、出来ることから
優先順位を明確にし、予算や家族の意思も踏ま
えて、全体像を見渡しながら実行しましょう!
執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
相続対策をする前に必ず把握して頂きたいのは、
財産全体の相続税評価額と時価額を一覧にして
から、税金の計算と、全ての課題及び対策項目
をリストアップし、
その全体像から課題解決の実行と並行に出来る
対策を専門家と一緒に進めていくことです。
決して、遺言書やアパート建築など、全体を見ず
に一部の対策では、ブツ切り対策となり、大抵の
場合、対策不足や失敗に繋がります。
全体像を把握する重要性について、事前相談も
行っております。
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2023.08.06
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