相続の時に不動産がトラブルになる原因一覧
相続する資産の約半分が不動産と言われている中
なぜ、不動産がトラブル要因のトップなのか?
事前に理由を理解し、対策を取っている方と、
無知のまま相続する相続人とでは、税金等の金銭
損失に限らず、トラブルという精神的負担や、
問題を解決する時間と無駄な費用など、大きく差
が生じるのが現実です。
■知らなかったでは済まされない
7つの不動産トラブル要因とは
1. 不動産は分けにくい
土地上に家屋があれば、なおさらケーキの様に
三等分などに分けられず、仮に土地だとしても
分け方によって、価値が大きく変わる為、相続税
評価額や時価額の算出調整が複雑化する。
分割方法を間違えると、売却できない土地になる
場合や、時価額が大幅に下がるケース、建築制限
により価値が激減する等のリスクが見えにくい。
2. 時価額と相続税評価額の乖離(差額)に注意
相続税を計算する際には、家屋は固定資産税評価
、土地は路線価格(複数補正有)で算出します。
この相続税評価額と時価額(市場取引価格)との
間に大きい場合、6倍ほどの差額が生じる場合も
あります。
その為、不動産を分ける際は、時価額を基準に
遺産を分ける割合を決定する必要があります。
3. とりあえず共有名義はトラブルのもと!
家族仲がいい為、とりあえず共有名義にしておく
という方は、意外にも多くいますが、共有名義の
リスクは次の通りです。
・単独では売却、大規模修繕等が出来ない。
・一人でも認知症になった場合、全ての法律行為
ができず、法定後見人の選任が必要となる。
・共有者の一人が死亡した場合、その相続人が
登記名義人となり、権利関係が複雑になる。
・賃貸不動産等の場合、経営判断(入居率改善リ
フォーム/大規模修繕/売却判断/管理会社替え
/定期借家変更等)が分散される。
4. 抵当権(借入)がある場合、債権者の同意要
不動産を担保に入れ借入がある場合、抵当権設定
登記がされます。
この借入債務は基本的に法定相続人全員で相続す
るのが原則の為、仮に不動産を一人に相続人が相
続する決定をしても、債権者(銀行等)の承諾な
くして、登記名義人を決定できません。
5. 法令上の問題が負担になる場合も・・
不動産は建築基準法や都市計画法以外に様々な
法律の中に存在します。
相続税に充てる為に不動産をいざ売却しようと
相談したところ、接道がない為、売却が難しく
思っていた換金額を大幅に下回るなんてことも
少なくありません。
6. 境界や私道、近隣関係の調整難の背景
売却の際は、基本、隣地境界を確定させる必要が
ありますが、その際、隣地者との立会同意を要し
数か月もの時間がかかり、納税に間に合わない
ケースや、私道持分がなく、掘削通行同意が取れ
ず、売却価格が安くなってしまったなど、時間や
第三者の影響を受けるのが不動産です。
7. 空き家などの管理責任が生じる
土地であれば、雑草や隣地に越境した枝木の対応
、空き家であれば、定期的な現地確認の管理が必
要です。
遠方の空き家を放置し、数年後に相続人が空家に
行ったところ、家屋内で浮浪者の遺体を発見!
なんて事例もあります。
空き家対策特別措置法も強化され、管理不十分の
場合、勧告や強制撤去など、厳しい措置がある!
執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
生前対策では、相続予定の不動産に問題がないか
、相続税評価額と時価額は幾らなのかを事前に調
べ、把握し、解決しておく必要があります。
分割予定の場合には、分け方によって価値が激減
する場合や、建築規制が厳しくなったりと、単に
税金だけに着目せず、時価額がどう変動するのか
に意識を向け、遺言書を書き始める必要があると
いうことです。
実務的には、一般の方が各種評価をするのは難し
い為、その道に詳しい専門家に依頼するのが得策
です。
不動産の評価や分け方の相談も行っております。
問題を早めに顕在化しましょう! 2023.08.20
※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。
情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている
場合がありますので、ご確認をお願い致します。