各種の財産管理対策のメリット・デメリット
60歳を超える頃になると、体の不調や認知症の
リスクなど、心と体の健康に心配を持ち始め、
万一、何かあったらどうしようと心配になります。
では、合法的な財産管理の手法には何があって
各対策の特徴やメリット・デメリットを簡潔に
分かり易くお伝えします!
●6種類の財産管理対策とは
① 任意後見制度
メリット…後見人を自分で選べる
・身上監護機能ある
デメリット…後見監督人に報酬発生する。
・裁判所や監督人による制限がある
② 財産管理委任契約
メリット…契約締結は原則無料である。
デメリット…認知症になった場合には
対策にならない。
③ 不動産売却
メリット…即現金化でき不動産の管理がなくなる。
デメリット…税金負担(譲渡所得税・相続税)
が発生する。
・現金化した現金の管理が必要になる。
④ 法人化
メリット…分割対策がやり易くなる。
・節税(所得税・相続税)に繋がる。
デメリット…法人へ移転する費用が発生する。
・万人向けではない。
⑤ 生前贈与
メリット…すぐに財産承継ができる。
・収益賃貸不動産を移転できる。
デメリット…特別受益となる可能性がある。
・割高な贈与税が発生する。
・不動産贈与時は登録免許税や不動産取得税が
発生する。
⑥ 民事信託(家族信託)
メリット…財産管理から相続後の承継先まで一括
で指定できる。
・本人と家族の意思に基づき、臨機応変な財産
管理ができる。
デメリット…不動産を信託する場合、初期費用
(信託報酬や信託登記料)が発生する。
・金融機関との交渉や調整が必要になり、思った
内容の信託ができない場合がある。
このように様々な財産管理(移転)の方法があり、
いい所も悪いところもあります。
その為、まず自分達には何が適しているのかを有利
選択する必要があります。
選択をするうえでは、将来、どのような場所で誰
の支援を受けて、どんな生活したいのか?
将来、財産を誰に何をどの位、引継ぎたいのか、
相手の意向も含めて材料だしをする必要があり
ます。
そのうえで、専門家と相談しながら、まずは全財産
の現状分析をしたうえで、相続税や贈与税、認知症
、事業承継、財産管理、分割対策や相続対策のバラ
ンスを考えて、予算に応じた財産管理の有利選択を
していきましょう。
執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
なお、不動産を生前に売却や買替、建築、賃貸管理、
賃貸契約、リノベーションなどを予定している方に
とって、全てに対応できる家族信託がおススメです。
ただ、家族信託に精通している専門家は、まだまだ
少ないのが現実の為、不慣れな方では資産全体を見
たうえでの信託組成は難しいと思われます。
また、信託する財産を銀行口座で管理する場合には
信託口口座を開設する必要がありますが、その際、
銀行側の顧問弁護士による成約(遺留分侵害不可)
が発生します。
その回避方法として、信託専用口座を作成するなど
の対策もあります。
まずは、全体を俯瞰して各種対策を相談できる専門
家を捕まえることが優先かもしれません。
2023.09.17
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