ローン定数(K%)を使った借入限度額
収益不動産を購入する際、あえて借入をして購入することにより、レバレッジ(テコ)がプラスに働くことにより、自己資本(頭金)に対する収益率が上昇します。
しかし、果たして銀行はどの位の融資をしてくれるのだろうか?
この疑問を解くカラクリを理解することにより、銀行が融資する借入限度額がわかり、足りない自己資金をいくら準備すればいいのかなど、事前に把握することができます。
公式で解説しますので、頭を柔らかくして聞いて下さい。
まず、公式にで出てくる4つの記号の意味を解説します。
● NOI:家賃収入から運営費等を引いた、正味の収入額
読:ネットオペレーティングインカム
● DCR:NOI÷借入ローンの年間支払い合計額
読:デットカバレッジレシオ
● ADS:借入ローンの年間支払い合計額
読:アニュアルデットサービス
● K%:ADS ÷ 借入総額
読:ケーパー(ローン定数)
上記を記号を使い、次の公式で借入限度額を逆算します。
2種類の方法がありますので、双方、ご紹介します。
■ 借入限度額 公式 A= ADS ÷ K%
■ 借入限度額 公式 B= NOI÷ K%×DCR
上記の記号のうち、NOI・ADS・DCRはローン電卓があれば自分でも計算できます。
しかし、実務では年間収入(NOI)と借入条件(金利・借入期間)しか情報がない場合に、借入限度をどう算出するかという壁に当たる場面が多いかと思います。
このような場合は、DCRを1.3とし、K%を次の公式に当てはめれば、借入限度額 公式 Bを使った借入限度額がわかります。
K% = 12 × [ r / { 1 − 1 /( 1 + r) } m ]
※m:月返済回数 r:金利(月利:年利÷12)
計算例:NOI400万円 ・ 金利2%(月利0.167%)・借入期間15年(180回)・DCR1.3 とした場合
12×0.167/{1−1/(1+0.167%)180} = K% =7.72%
400万円/(7.73%×1.3)=借入限度額3,980万円という結果になります。
尚、DCRを1.3とする理由は、DCRとは年間ローン支払額に対するNOI(純収入)の割合の為、融資する銀行からすれば、ローン支払いに対する純収入が多ければ多いほど、支払余力があることになり、一般的に銀行が見る基準は1.3以上としている為です。
執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
K%とは、銀行側の収益率です。
貸したお金に対して、どの位の回収率があるかという指標です。
このK%と借入しない場合のNOI率(NOI÷物件価格)を比べ、NOI率 〉 K% の場合にはレバレッジがプラスに働くことになります。
実際には、一般の方がこのような分析をするというよりは、金融電卓を使いこなすエージェントに試算してもらい、オーナー様はジャッチを下す役割になるのが実務の現場で本来の姿です。
収益不動産分析を得意とするパートナーを見つけて、リスクを回避しながら資産を見える化して増やしていきましょう!
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