ISRコンサルティング管財

建ぺい率の緩和の全て

建築基準法における建ぺい率(敷地面積に対する建物を上から見た時の投撮面積の割合)には、緩和措
置が設けられています。

建ぺい率の簡単なイメージは敷地面積に対する1階の床面積の割合という感覚です。

建ぺい率が緩和措置条件に該当し10%アップすれば、1階の床面積が広く建築できる為、都心等の狭小地に建築計画をする際には必須で知っておくべき緩和内容です。

建ぺい率の緩和種別の全て

■5つの建ぺい率の緩和措置とは

1. 角地の10%緩和

敷地が2方向道路の角地に接しており、下記の条件を満たしていること

・2方向道路共に幅員4m以上であること

・角地部分の敷地内角度が120度未満であること

・敷地の周囲の道路に接する長さ(接道長さ)が全体の3分の1以上であること

※条例等により2方向に道路幅員の合計幅が10m以上であること

2. 両面道路の10%緩和

角ではなく、例えば敷地の北側と南側の両方に道路がある場合を指します。

・両面道路共に幅員4m以上であること

・両面道路に敷地がそれぞれ2m以上接道していること

※条例等により両面道路幅員共に8m以上で且つ、両面道路との間隔(敷地の奥行)が35m以下であること

3. 公園、河川等の10%緩和

・4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接道しつつ、敷地の周囲3分の1以上が公共公園や河川、広場に面していること

※緩和が適用される公園は公共である必要があり、民間敷地の広場などは基本、緩和適用外となる為、事前に行政にて確認が必要です。

4. 防火地域内の耐火建築物等の10%緩和

・都市計画における地域地区の防火地域内において、全ての建物が耐火建築物(コンクリート構造等)又は同等の延焼防止建築物であること

※尚、防火地域内で指定建ぺい率が80%の土地に耐火建築物を建てる場合には、建ぺい率の制限はなくなり、建ぺい率100%のように敷地全体に建築することも可能です。

5. 準防火地域内の準耐火建築物等の10%緩和

・都市計画における地域地区の準防火地域内において、全ての建物が耐火建築物(コンクリート構造等)又は同等の延焼防止建築物及び準耐火建築物又は同等の延焼防止建築物であること

※準防火地域内の緩和措置は2019年の建築基準法改正に伴うもので、知らない方も多い!

執筆者:ISRコンサルティング管財 佐藤 浩之

都心部や都心に直通の沿線沿いの土地などは、利便性が良い交換条件として需要が高く20坪などの狭小地であっても高単価です。このような狭小地に理想の住まいを設計する際には必須の知識として建ぺい率の緩和措置を紹介しました。

尚、記載の緩和条件は一般的な基本条件であり、区市町村条例により制限が厳しくなる場合もある為、必ず土地が存する行政窓口(建築指導課等)で確認しましょう!

独学で二級建築士を取得する際に設計図書を200枚以上書いたのが懐かしいです。 2024. 6.30

※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている場合がありますので、ご確認をお願い致します。

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