ISRコンサルティング管財

商業用不動産の価値の簡易算出方法

収益不動産の価値を予測する一般的な方法は、DCF法(ディスカウント、キャッシュフロー)や直接還元法などですが、この方法を使って価値を出すには、専門的な分析や知識が必要です。

そこで、比較的大きい収益不動産、商業ビルや居住用でも世帯数が多いマンションなどの市場価値の目安を簡易的に知る方法をお伝えします。

JAPAN-REIT DBを使った直接還元法

ジャパンリートデーターベースは、大型不動産に投資をしている投資法人が保有する商業不動産データベース情報です。

使い方はとても簡単で、住所入力枠に価値を知りたい収益不動産の住所を入力し、半径距離を選択すると、住所を中心とした半径内の商業不動産情報が一覧で閲覧できるというものです。

■平均値が一目で解る!

知りたい地域内の存する不動産の下記平均値情報が一瞬で取得することができます。

・賃料平均(/坪) : 5,383円/坪
・CR平均 : 5.45%(キャップレート)
・DR平均 : 5.27%
・TCR平均 : 5.67%
・レンタブル比平均 : 102.20%
・取得時鑑定価格/賃貸面積平均 : 912,415円/坪
・最新稼働率平均 99.29%

■CR(キャップレート)を使って価値を算出する。

算式:NOI÷CR 5.45% = 市場価値

NOI(Net Operating Income)とは、満室時の賃貸収入から空室損を引き、更に、運営費を引いた正味営業収益額のことです。

■計算例

販売価格 2億円 NOI 1,000万円の物件の購入を検討しているとします。

NOI 1,000万円÷5.45%=市場価値18,349万円ということになる為、少し割高かな? 価格交渉できないかなど、一つの目安が解ります。

尚、投資家の判断する価値を投資価値といいますが、投資価値を出す場合には、CRの率を自分が期待する利率に置き換えるだけです。

執筆者:ISRコンサルティング管財 佐藤 浩之

東京23区などであれば、収益不動産のCRや投資家の期待利回りを比較的容易に知ることができますが、少し郊外になると、投資不動産情報が極端に減少するのが現実です。

弊社でも実務利用として、千葉県船橋市北習志野駅近くの商業ビルの評価依頼が税理士事務所から受けた時に、情報が乏しく、このJAPAN-REIT DBと周辺の賃料相場情報と築年数等の情報から評価書を作成しました。 2024. 11. 17

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