相続権 第一順位の特殊な子供(胎児・嫡出子と非嫡出子・養子)
相続する権利には優先順位があり、配偶者は常に相続人となりますが、配偶者以外の親族が相続人の場合には、優先順位があります。
子供は順位1位の相続人ですが、子供といっても特殊なケースとして、養子や胎児、嫡出子や非嫡出子について、わかりやすく解説します。
■胎児は相続人になるのか?
民法886条に「胎児の相続については既に生まれたものとみなす」とあります。従い、お腹の子供も相続権があります。
実務では、生まれた赤ちゃんは遺産分割協議ができない為、家庭裁判所に申し立てをして赤ちゃんの代理人を選任してもらい、代理人が赤ちゃんの代わりに遺産分割協議を行います。
赤ちゃんのお母さんが代理人になってあげたいところですが、お母さんも法定相続人の為、利益相反となり代理人になることができないのです。
■嫡出子と非嫡出子の扱いは昔と変わった。
嫡出子とは、婚姻関係の夫婦間に生まれた子供のことをいい、非嫡出子は未婚関係の男女に生まれた子供という意味です。
非嫡出子の場合、母子関係は分娩の事実があれば認められ、父子関係の場合には認知によって相続権が発生します。
つまり認知していなければ、相続権は発生しないことになりますので、未婚の子供がいる場合には、認知しているか否かがポイントになります。
非嫡出子の相続取分は長年、嫡出子の半分でしたが、平成25年9月の最高裁判決により、法の下の平等を定める憲法14条に違反する判決にて、現在は嫡出子も非嫡出子も同等の取分となっています。
■養子の身分とは・・
養子とは養子縁組をすることで、嫡出子の身分を取得する為、相続上の権利は実の子と全く同じ立場となります。
養子には普通養子と特別養子の2種類がありますが、通常は普通養子として戸籍に入りますが、特別養子は年齢が15歳以下で親の虐待や育児放棄などで子供を法的に守る時などに家庭裁判所の許可を得て養子になるものです。
相続対策に用いる養子は節税対策の場合が多いですが、戸籍を変えてまで養子縁組をしたくないという方も多いのが現実です。
執筆者:ISRコンサルティング管財 佐藤 浩之
相続相談のなかには、子供に相続させたくない理由(重大な非行や侮辱等)があるので、何とか特定の子供に相続させない方法はないかという相談もあります。
特定の法定相続人に相続されない方法は幾つかありますが、それなりのハードルがある為、慎重な検討が必要です。
家庭の事情はさまざまな為、特殊な事情がある方は、節税に限らず分け方や信託、遺言、資産組替など多角的に俯瞰して対策を講じる必要があります。
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