国庫に入る「相続人なき遺産」 過去最大
近年、親族等の身寄りがないと共に相続人もなく他界される方が増えてます。世間では「お一人様の相続」とも言われている実態と、このような状況下で、お一人様の財産承継の選択肢や相続をサポートする専門家は何ができるのか?
■相続人不在の実態 ※情報基 日経新聞 2025年2月9日記事
相続人が不在の財産が国庫に帰属された金額は、2023年度に1015億となったことが最高裁の取材で判明した。過去10年で3倍にも膨れ上がり、過去最大の国庫帰属額となり、今後も増加し続ける可能性が高いという。

■生前 お一人様の財産承継の選択肢は何があるのか?
1. 遺言で財産を渡す相手を指定しておく。
遺書ではなく、法的拘束力のある遺言(公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言)で自分が亡き後の財産は、〇〇に遺贈すると記載し、生前に遺言を残しておくことです。
遺贈は、個人でも法人にでも指定出来る為、お世話になった施設への寄贈や、生前に療養看護をしてくれた遠い親族(従兄弟等)に遺贈するなど、感謝の想いと一緒に財産を渡すことができます。
遺言には付言事項という項目が設けられており、付言に遺贈した理由など自分の想いを書いておけば、遺贈を受けた相手にも伝わります。
2. 財産の使い道や帰属先を信託する。
信託法の改正で、親族や一般者に財産を託すことが出来るようになり、いま注目されている財産管理や承継方法です。
自分が認知症になる前も後も、自分の財産の使い道を信頼できる方に信託し、自分が亡き後の財産の帰属先も指定することができる制度です。
3. 特別縁故者が相続する。
相続人なき財産は法人として扱われ、家庭裁判所にて財産管理人が選任されますが、国庫に帰属までの過程で下記の特別な関係者の場合には「特別縁故者」として家庭裁判所に財産の全部または一部を取得する申請を裁判所にできる制度です。
① 被相続人と生計を同じくしていた者
② 被相続人の療養看護につとめた者
③ 被相続人と特別な関係があった者
財産承継以外にも任意後見契約にて、自分が認知症等で判断能力を喪失したときに備え、自分の身上監護に備える制度もあります。また、自分が亡きあとの各種、事務手続きを委託しておく「死後事務委任契約」を生前に備える方法もあります。
執筆者:ISRコンサルティング管財 佐藤 浩之
今まで築きあげてきた財産が感情のない国に行ってしまうのなら、いっそのこと世界一周旅行や欲しかった高級時計など、死後、最低限の財産以外、自分へのご褒美として使うという選択肢もありですよね。
私達 専門家は、ご紹介した財産承継の手続きを適切に承継してあげるべく、想いも含めてサポートしてあげるべきですね。 2025. 2. 9
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