割印と捨印③
最後は「捨印」です。
「捨印」とは、契約書などの文書に間違いがあった際に、原本を保有する側が訂正できるように、訂正印としてあらかじめ文書の余白部分に押しておく印鑑のことです。
そもそも「捨印」は、入力ミスや漢字の間違い等、文書全体の主要な内容を変化させることの無い軽微なミスを訂正するための方法で、「間接訂正」とも呼ばれています。
契約当事者が全く別人に代わってしまう訂正や、契約金額の訂正などは、捨印で訂正できる範囲を超えていると思われます。
捨印をもらっておくと、単独で契約書などを訂正できますが、一方、捨印を押す側には契約書などの改ざんなどの悪用に利用されるというリスクもあるのです。
事前に捨印をもらう際には、「必ず押さないといけないわけではない」という対応が無難ですし、捨印を求められた際には、「訂正が必要な際は自分で訂正をするので捨印は拒否する」という対応も可能です。
「間接訂正」に対し、修正したい箇所に直接印鑑を押して訂正する方法を「直接訂正」と言います。
重要な部分の訂正を必要とする場合には、「直接訂正」と「間接訂正」両方にて処理するのがベストです。

執筆者:ちばPMA相続サポートセンター K.N
普段何気なく押してしまう捨印ですが、きちんと捨印の意味を理解したうえで押さないとトラブルになりかねませんね。 2025.4.5
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