ISRコンサルティング管財

相続発生時の預金口座凍結の留意点

被相続人が亡くなると銀行の預金口座が凍結して使えなくなってしまうので、どうしたらいいですか?このような相談も少なからずある為、今回は相続発生時に伴う被相続人の預金口座凍結に関しての実態と、留意点や対策までマトメテお伝えします!

◆預金口座凍結はどのように起こる?

被相続人の死亡により、死亡届けを行政に提出しますが、行政と法務局・税務署などは繋がっている部分もありますが、民間の金融機関とは繋がっていない為、死亡の事実を銀行が知らなければ、勝手に口座凍結されることはありません。

・どの様な場合に銀行が知り得るのか?

 ・相続人が葬儀費用に当てる為に、銀行に引出に行った際、多額の引き出し理由を聞かれ、死亡を伝えてしまう。

 ・金融機関関係者が、メディア、新聞、街の葬儀を見かけて知るケースもありますが、有名人のようにテレビ等の報道で周知され発覚することはありますが、一般の方は報道で銀行に伝わるケースは少ないでしょう。

◆凍結前の口座から葬儀費用等を引き出す際の注意点

 ・葬儀費は相続財産から差引ことができますが、口座から引き出したお金を葬儀費に充て、更に葬儀の領収書で相続財産から控除すると葬儀費の二重計上となり、脱税扱いになるのでご注意下さい。

・被相続人の財産を遺産分割前に使ってしまうと、相続を単純承認したものとみなされて、相続放棄や限定承認ができなくなりますので、借金が多額にある相続などは注意が必要です。

・使途を記録しておかないと、他の相続人とトラブルに発展します。当然、引き出した現金は他の法定相続人が遺言指定分又は、遺留分、法定相続分など貰える権利があるのに対し、勝手に一人の相続人が使途不明のお金を使っていては、トラブル必至です。

・相続財産を減らす目的で故意に現預金を引き出して申告しない場合、重加算税が生じ、思わぬ税金を支払うことになります。税務調査では、被相続人と相続人の預金口座過去10年分を徹底的に調べ上げ、脱税を見抜くプロ中のプロです。

◆口座凍結前後の対処法は?

自筆証書遺言の法務局保管制度及び公正証書遺言があれば、遺言の内容に従い、手続きが比較的スムーズですが、普通の自筆証書遺言や秘密証書遺言では、家庭裁判所の検認手続きを経ないと口座凍結を解除できない為、生前に遺言書作成はマストで作成しておきましょう!

遺言そのものがない場合、遺産分割協議を経て、各戸籍謄本や印鑑証明、銀行所定の書類等を整え始めて解除できます。

【預貯金払戻し制度を利用する】


遺産分割協議に時間がかかり、その間の葬儀費用等に当たるなどの目的で、一時金を引き出す方法があります。

算式:相続開始時の預金額×1/3×法定相続分 ※1つの金融機関で上限150万円が上限

相続が発生したら焦らず冷静に、何をどの順番でやっていくのかを整理して、無駄なく、トラブルなく、二次相続まで考慮して、手続きと相続発生後の対策を実行していきましょう!

執筆者:ISRコンサルティング管財 佐藤 浩之

口座凍結の解除には、多数の書類や膨大な時間を要する場合もあり、連動したと手続き(検認手続・不動産登記・相続税申告・準確定申告・遺言執行者選任等)を一般者の方が行うのは無理がある場合が殆どです。

費用を払ってでも専門家に依頼し、更には遺産分割をどう分けたら節税と争い防止に繋がるか?なども同時に対応できるコンサルタントを導入することも検討してみましょう。

2025. 7. 6

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