1つの不動産を複数の子供達に承継させる最善策
1つの不動産、例えば賃貸マンション1棟をそのまま3人の子供達に相続させたいが、専門家に相談したところ、1つの不動産を複数の共有名義にするのは避けるべきと指南を受けたが、他に上手い承継方法はないものでしょうか。
不動産を共有名義にすると、法律上、売却や大規模修繕など全員や過半数の同意が必要であると共に、共有者の一人が亡くなった場合には名義人が鼠算式に増加するリスクもあり、死亡に限らず認知症や重症による意思能力の喪失により、法律行為が凍結されるリスクがある為、共有はさけるべきなのです。

●不動産を平等に承継しつつ、共有名義のリスクを回避する方法とは
家族信託の活用でリスクを回避する
前提と目的:収益マンション1棟(父親名義) 子供達3人へ平等にトラブルなく承継させたい。
収益マンションの所有者(父親)を信託委託者とし、長男を信託受託者とします。さらに、当初の信託受益者を父親とし、父親が亡き後の信託受益者を子供3人とする内容で信託を組みます。
効果 1. 父親が亡き後の賃料収入を子供達3人で平等に分けることができる。
2. 長男単独の判断で、大規模修繕や管理、売却換金ができる。
3. 将来、売却換金した際の帰属財産も兄弟3人に平等に分けることができる。
4. 父親の死亡に限らす、認知症や重度障害に備えることができる。
共有名義を避けて不動産を承継する他の方法としては、長男に単独で当該マンションを相続させ、他の兄弟には、平等にする為の代償分割金を支払う方法があります。
代償分割金は長男が支払うべき金額の為、その準備金をどう準備するのか等の問題が残りますが、他のブログ記事「相続財産を代償分割金として支払う時の注意点とポイント」に委ねて今回は割愛します。
執筆者:ISRコンサルティング管財 佐藤 浩之
大正11年に制定された信託法が80年の時を経て2006年(平成18年)12月に信託法改正が行われ、2007年(平成19年)9月より施行されてから現在に至るまで、未だに各専門家や関係機関の理解が乏しいのが現実です。
信託を組成する弁護士や司法書士、関係する金融機関や不動産会社、証券会社など、この家族に託す民事信託(俗称:家族信託)の活用が広がるよう願うばかりです。
弊社では家族信託コーディネーターの資格を生かし、信託組成内容の立案から司法書士等への取次までのサービスが可能です。 まずは下記メルマガ登録の無料相談からご活用下さい。 2025. 10. 12
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