令和2年 新年のつぶやき

ちゃんとやると「儲」からない?

 建築現場を通りかかった時、職人さんが3時のお茶休憩を取っていた。棟梁らしき職人さんが、低い声でぼそっと「ちゃんとやると儲からないからなぁ~。」一瞬耳を疑った!「では、この建物は不完全のままで、完成するのか?」

以前、弊社で日本を代表する大手企業との夢のような取引があった事をすぐに思い出した。
2年半の時間を費やし、慎重に進めた仕事の中で、心に引っ掛かる事があったからだ。
・・・でも、あの時、長ものに巻かれていれば、今でも大きな仕事が継続していたのかも・・・
地主様との賃借料交渉で、企業の担当者から値下げの要請があった際、私は根拠を持って公平な金額を提示した。第三者の専門家が見れば不公平と解るような、一般消費者が不利益を被る取引は出来ないからだ。公平さを欠くと企業のイメージダウンに繋がるのではないかと伝え、賃借料は弊社が提示した額に決定した。その後、その企業から仕事は一切来なくなった。

世の中、綺麗ごとだけでは存続できない。しかし「ちゃんとやる」ことに工夫を加えれば、次の発展も生まれ、正しい仕事の中にでも十分な利益を上げることはできると確信し、繰り返す、迷いや争いの連続ではあるが、信じた道を歩んでゆく。

 

代表取締役  佐藤 浩之

平成31年 新年のつぶやき / 令和3年 新年のつぶやき