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わかりやすい相続対策 ②相続財産の評価3-2

第3 財産の評価について-2

相続税評価には以外な特徴があります。基本的に自己責任で評価し、申告しますのでルールを知ないことによるダメージが大きく反映されてしまいます。まずは見逃してはならない基本的なルールについてお伝えします。

 

相続財産を評価する際の特徴と税務署の対応について

  1. 申告する納税者が資産を評価するということ

所得税や法人税などは自分の収支に対してして確定申告を行い収支に応じて自分が納税しますが、相続の場合には自分の資産ではないものを相続人が自ら評価して納税するところが、法人税等と比較して最も異なる点です。従い、相続税を下げられるかどうかは相続人次第!ということになります。

特に不動産の価格には評価によって値幅が生じ、評価額に差が出やすいといわれています。特に土地の場合には・・

 

  1. 高い評価額で申告しても税務署は何も言ってくれない

土地を税務基準より低く評価して申告した場合には、税務署から指摘が入り追徴課税を払わなければならなくなる場合もあります。しかし、評価する土地に減額要因があるにも関わらず見逃してしまい、高く評価して申告した場合はどうでしょう?税務署から高い評価で税金も高く納めているので、税金を還付しますよ、なんてことはありません。高く評価した資産に対して高く納税したままで終了です。これが現実です。

 

ご相談者に来られた多くの方からよく聞きます。「私は、○○士さんに頼んでいるから大丈夫です」と・・専門家とは、その分野に特化して詳しいから専門家といいます。相続は、各専門分野が幅広く影響しあっています。税務や法務、不動産、登記、測量、金融、保険など・・

今一度、全体を見ながら対策ができる専門家を考えてみることも、円満相続をするうえで第一歩になるのではないでしょうか?

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

 

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わかりやすい相続対策 ②相続財産の評価3-1

第3 財産の評価について-1

そもそも財産の評価は何を基準に判断するのでしょう?預貯金なら100万円を130万円には間違えませんが、不動産の場合はどうでしょうか、大見出しにもある評価の基本についてお伝えします。

 

相続財産の評価基準は何を基準とするのか?

本題の評価基準は相続発生時の「時価」です!時価とは不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる際に成立する価格のことをいいます。お寿司屋さんで食べる、本日入荷の本マグロ「時価」のような感覚です。

 

しかし、時価といっても一般の人が不動産の時価額をどう判断すればいいのか解りませんよね。そこで国税庁は「財産評価基本通達」という算定基準を定めているのです。

 

インターネットで国税庁「財産評価」と検索すると詳細が見られます。特に不動産をきっちりと細部に渡り評価することで評価額を下げることができ、評価が下がるということは相続税が下がることに繋がります。

実際に相続が発生した際は、不動産の専門家が時間をかけ評価しますが、相続対策の時点では概算評価額で十分です。なぜなら常に資産は流動的に変わるからです。

では、本題の評価を始めるにあたって腕をまくりの準備はできましたか?次からのコラムで評価の特徴や、実際の評価の仕方についてお伝えします!

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

 

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わかりやすい相続対策 ②相続財産の評価2-12

第2 財産の把握について-12

資産は常に見える化する必要があります。見えていれば全体像が掴め柔軟な対策ができる基盤となります。全体像を見ないで相続対策を始めようとすることは、鏡を見ないで化粧をするのと一緒です。では、その欠かせない鏡についてふれてみましょう。

 

財産一覧表(鏡)作成時のポイントとは

必ずくる相続に対して、早い段階で準備が必要です。まずは現状の財産と債務の全体を把握する必要があります。出来れば毎年、財産一覧を作成し見直しを行いましょう!

 

<財産一覧の記載例>

財産の種類・財産額(課税価格) ・配偶者  ・子供1  ・子供2  ・子供3

自宅土地・・・・・・○○万円  ○○万円  ○○万円  ○○万円 ○○万円

自宅建物・・・・・・○○万円  ○○万円  ○○万円  ○○万円 ○○万円

上場株・・・・・・・○○万円  ○○万円  ○○万円  ○○万円 ○○万円

預貯金・・・・・・・○○万円  ○○万円  ○○万円  ○○万円 ○○万円

借入債務・・・・・・○○万円  ○○万円  ○○万円  ○○万円 ○○万円

 

上記のように縦列に財産種別、横列に全体価格を先頭に、誰にどの位わけるのかを決めて、概算を記載します。エクセルなどを使って整理すると便利ですね。

一覧表作成時のポイントとしては、土地家屋は用途ごと(自宅用、貸付用、空家、遊休地等)に分類します。預貯金は金融機関(口座別)に区分しておくといいでしょう。また、有価証券は種類と銘柄ごとに記載しておくと判別し易いです。

 

この一覧表を別の視点からいうと、会社の決算書と同じです。法人は毎年決算期に貸借対照表や損益計算書を作成し、一般販管費に無駄がないか等を見直し、年間を通して赤字か黒字かを数字で確認して次期に向け戦略を練り直します。その個人版と思って下さい。いつやるのか「今でしょう!」です。

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

 

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わかりやすい相続対策 ②相続財産の評価2-11

第2 財産の把握について-11

相続された遺産総額から差し引くことができる項目もあります。以外なものが差し引ける対象だったり、一見ひけそうでも引けないものもあります。少しでも相続税を安くするためにも知っておくべき内容です。

 

遺産総額から差引くことができる項目とは?

相続税の課税価格の計算上、大きく分けると次ぎの2つが遺産総額から差引くことができます。

 

  1. 債務(借金)

被相続人が死亡した時点であった借金は遺産から差引けます。が、ご注意頂きたいのが保証債務(連帯保証等)です。いくら連帯保証契約書が存在しても実際に本人が借りた借金ではない為、相続財産からは引くことができません。しかし将来、保証債務を負うことになった場合には、保証の責任は相続人に引き継がれます!

 

  1. 葬式費用

葬式費用といってもさまざまなものがあり、一見、葬式費用に思えても引けないものもあります。

 

○葬式費用として引けるもの

・遺体の捜索や遺体・遺骨の運搬、回送費用

・火葬、埋葬、納骨の費用(仮葬式・本葬式の両方)

・読経料の御礼費用やお坊さんのタクシー代や戒名料

 

葬式費用として引けないもの

・香典返し費用

・相続発生後に購入した墓石や墓地費用

・初七日や法事、法要の費用

 

弊社は仏壇店ではありませんが、税務上は仏壇、墓石等は生前に買いましょう!ということでしょうか。そして、絶対に保証人にはならないことです!うちのは人がいいから、なんて言葉が聞こえてくる奥さま、保証債務の有無も念のため・・

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

 

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わかりやすい相続対策 ②相続財産の評価2-10

第2 財産の把握について-10

非課税限度額を算定する際の法定相続人には、幾つかの制限があります。養子も算定時の相続人数に該当しますが、民法上では養子の人数制限はない為、上限なく養子を作り非課税枠を増やそう?このような考えの方には税務ルールの門番が待ってます!

 

生命保険等の非課税限度額を算定するときの法定相続人とは?

民法の規定による相続人の数と非課税限度枠を計算するうえでの相続人数では次ぎの違いがあります。

 

  1. 相続放棄をした人がいる場合

相続人のなかに相続放棄した人がいる場合には、民法上では相続人ではなくなり相続財産は相続しない反面、税法上この生命保険等の非課税限度枠を算定する人数には加えてもいいことになってます。

 

  1. 養子の考え方

被相続人に既に養子がいる場合には、次ぎのように非課税限度枠を算定する法定相続人の数に算入する養子の数が制限されます。

A. 被相続人に実子がいる場合には1人まで算入可

B. 被相続人に実子がいない場合には2人まで算入可

 

また、次の者は実子と「みなして」非課税限度枠を算定する法定相続人の数に算入できます。

イ)特別養子

ロ)配偶者の実子で被相続人の養子となった者

ハ)配偶者の特別養子で被相続人の養子となった者

ニ)実子の代襲相続人

この規制は養子を増やし無制限に非課税枠を利用して相続税をなくそうとする人を廃除するためにある税法上のルールです。無制限に養子が認められれば、国の税収が出来なくなりますので、当然といえば当然ですね。

尚、上記 ロ)はよく見かけるケースですが、わかりやすく表現すると「再婚相手の連れ子を養子にした場合」のことです。再婚した相手の子にも財産を残したいという方は、是非、養子縁組を検討してみたらいかがでしょうか。

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

 

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わかりやすい相続対策 ②相続財産の評価2-9

第2 財産の把握について-9

相続税のかからない財産(非課税財産)には、上手に活用する際のポイントが幾つかあります。世間では非課税財産と言われていたものが、税務署から、それは課税財産になります!なんて言われないように理解しておきましょう。

 

相続税のかからない財産のポイントとは?

非課税財産を下記に分類してみましたので、種別ごとの特徴やポイントをお伝えします。

 

① 墓地、墓石や仏壇、仏具

相続発生時に存在する墓石や仏壇等は非課税ですが、ポイントは生前に購入していることが条件ということです。たまに相続発生後に財産を減らす目的で高額な仏壇や墓地を購入しようとする人がいますが、それは非課税対象ではなくなるリスクがありますので注意して下さい。また、きんぴかの純金で作ったお墓や仏壇の金の部分は課税対象になる可能性が高いので、金が好き!なんていう方はご注意ください。

 

 

② 生命保険金と退職手当金

双方、500万円×法定相続人数の額までは非課税です。尚、弔慰金等は、業務上死亡時には死亡時の給与×36ヶ月分・非業務上死亡時には死亡時の給与×6ヶ月分が非課税対象となります。個人事業主の方は小規模企業共済の非課税枠も利用できますよ!

 

<その他、特殊な非課税財産>

③ 公益目的事業を行う者が公益目的事業に使う為に貰った財産

④ 心身障害者共済制度の給付金を受ける権利

⑤ 皇室経済法の規定により皇位と共に受け継がれる物

⑥ 相続申告期限までに特定の公益法人に寄付した物

⑦ 相続申告期限までに特定の公益信託財産とする為に支出した物

 

生命保険の非課税枠を上手く利用して節税対策をする手法を多く見かけますが、その保険は終身保険でないと意味がありません。コマーシャルでおなじみの「保証は一生涯」というものです。一定期間で保証が切れる定期保険に加入の方、この機会に見直してみたらいかがでしょうか。

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

 

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特定の贈与財産に該当する生前贈与をする場合の留意点とは?

みなし相続財産のうち、特定の贈与財産についての留意点をお伝えします。あまりよく考えずに選択した生前贈与が後に、失敗した!その選択が後戻りできないなんて知らなかった!なんてケースも見受けられます。

 

2種類の生前贈与が特定の贈与財産となる。

 

A. 暦年贈与(連年贈与)を活用した場合

相続や遺贈によって財産を受取った人が、被相続人から貰った相続開始前3年以内の贈与財産が相続税を計算するうえで課税対象財産になってしまうというものです。このことを贈与財産の「持ち戻し」と呼びます。

 

反面、法定相続人でない人(例えば孫等)に相続開始前3年以内にされた贈与は、相続人ではない為、持ち戻さなくても大丈夫!ということになります。つまり節税効果が得られることにもなります。

 

B. 相続時精算課税制度を利用した場合

この制度は、前記Aのように3年等の期間制限はなく、過去にこの制度を利用して行った贈与財産は全て持ち戻されるという点です。つまり誰がもらったのか、何年前の贈与なのかは一切関係がなく、相続開始時点の相続財産にプラスされてしまうというものです。しかも一度この制度を利用すると、暦年贈与に変更はできない制度なのです!

 

相続時精算課税制度の詳細は別コラム「賢い生前贈与」でお伝えしますが、過去に行った大きな贈与が、特別受益として扱われた場合、財産を分ける際に遺恨(トラブル要因)を残す可能性もありますので、よくよく考えて利用して頂きたいと思います。

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

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相続税の対象となる生命保険とは?

生命保険は契約形態によって相続税の対象になるものとならないものがあります。契約の仕方によっては税率が最も高くなる贈与税になる場合もあれば、所得税に該当する場合もあります。これは保険契約の重要なポイントです!

 

3種類に分類される保険金の課税形態

例1. 保険料負担者(夫) 被保険者(夫) 受取人(妻)=相続税の対象保険 

 

例2. 保険料負担者(妻) 被保険者(夫) 受取人(子)=贈与税の対象保険

 

例3. 保険料負担者(妻) 被保険者(夫) 受取人(妻)=所得税の対象保険

 

つまり、誰が保険料を負担し、誰に保険が掛けられ誰が保険金を受取る契約になっているかによって課税される税金の種類が変わってくるわけです。へ~そうなんだ~と知らない方が殆どです。

 

 

 

 

 

 

みなし財産である生命保険金には、500万円×法定相続人数の相続税に対する非課税枠があります。この非課税枠を利用して相続対策をするケースがありますが、セミナーに参加者して頂いたある方が・・・私は知合いの保険屋さんに勧められ、相続対策になる保険に入っているので大丈夫です。と言われる保険契約を見たところ、贈与税になる契約形態だった!なんてことが現実によくある話です。

 

生命保険は知人や親戚等に勧められ、よく解らず勧められるまま加入しているケースが多いようです。また保険自体も保険会社によってさまざまな商品があり、よく解りませんよね。生命保険を100%相続対策に活用する方法は是非セミナーにて!

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

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どんなものが「みなし相続財産」でその概要は?

法律的には被相続人から相続で取得したものではないが、実質的には相続財産と同様の経済的高価をもち、相続財産を把握する過程で見落としがちな「みなし相続財産」について少し詳しく見てみましょう!

 

有名な二つのみなし相続財産

  1. 生命保険金

被相続人の死亡によって支払われる生命保険金や共済金で被相続人が保険料を負担していたものに限ります。従い、保険の契約形態により相続税の対象にならない保険金もありますので、今一度、確認してみて下さい。

 

  1. 死亡退職金

被相続人が受取るはずであった退職手当金などのことをいい、死亡後に遺族に支払われる金銭です。

 

その他の「みなし相続財産」とは・・

 

生命保険契約に関する権利

まだ、保険事故が発生していない被相続人が保険料を負担していた保険のことです。なぜ保険金の支払いが発生してない状態にもかかわらず財産評価の対象になるか?と疑問に思いますよね。

例えば、自分が保険料を払い、妻が亡くなったら自分が保険金を受け取る契約だった場合、妻より先に自分が亡くなったら、その支払中だった保険権利が財産価値に値するというものです。このような場合は、仮に解約した場合の解約返戻金相当額が「みなし財産評価」となります。

 

 

 

 

 

 

○定期年金に関する権利

被相続人が掛け金を負担していた郵便年金契約などを指します。また年金受給権として、死亡後に遺族に支払われる一時金や年金も対象になります。

尚、類似するもので退職年金の受給権として遺族に継続して支給されるものも含みます。

 

本来の財産にプラスされる「みなし財産」を見逃すと、後から相続税がぐんと上がって払えない!なんて場面もあるわけです。

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

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高額所得者が義務化となった財産債務調書とは?

知人から高額所得者に該当すると、確定申告時に個別な書類提出が義務化され、未提出の場合、ペナルティーもあると聞きました。自分は高額所得者に該当するのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

以前は財産債務明細書という書類で提出しなくても罰則はありませんでしたが、平成28年申告分(平成27年度の収支)からは、この財産債務調査の提出が義務化されました。未提出の場合、過少申告加算税に+5%が加算されてしまいます。

 

どのような人が高額所得者になるか?・・

A. 年間の所得が2,000万円を超える

       かつ

B. 財産の価格合計額が3億円以上の人「or」有価証券の合計額が1億円以上の人が対象となります。

 

相続が発生した際に、相続人が提出した申告書と当該財産債務調書に食い違いがあると、税務調査が入り、追徴課税が発生するリスクもあります。日頃から本調書を相続人にわかるように保管しておくことを心がけましょう!尚、きちんと本調書を提出している場合には過少申告加算税-5%の特典もありますので、資産が高額でアパート等の不動産収入がある方は意識しておいて下さいね!

相続支援コンサルタント 佐藤 浩之

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